(Sat)

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鉛色の海の上を滑る船

隠された夏の時間のひときれ

湿り気をおびた風に頬を撫でられれば

忘れていた記憶の残像が見え隠れする

思い出すには遠くに来過ぎてしまった

母親の手にしがみつき歩き続けた雪降る夜

止むことを忘れた雪はいつまでも降り続ける

僅かな灯りの下 母親の顔は青白く

あの道は永遠に何処までも続くかのように思われた

雪は止み夏がきて日焼けした少女は遠くの街へ思いを馳せていた

雄大な景色の中 風を切って自転車を走らせる

少女の夢は線路の上を滑って東京へ運ばれた

過ぎてきた時間の方がこれから過ごすであろう時間を越えている

永遠を装う海の水面に映る雲

うたかたびと 流離い漂流する日々

まだ燻っている夢のひと欠片

ぎゅっと握りしめて。






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